ブータンで内視鏡医として活躍された阪口昭医師の奮闘記です。その第3回はいよいよブータンの病院での就職へのステップです。外国で医師として働くーその想いを実行するには、、、
3)就職活動
ちょうどあと一年で定年となった2018年3月に、ブータンの一番大きい病院と思われるJigme Dorji Wangchuck National Referral (JDWNR)病院長に、40年の経験のある消化器内科医であるが、13年前にブータンを訪れて大変感動し、日本で定年退職後、貴病院で働きたいというメールを送信した。
いったいどんな返事が来るのか、まるで片思いの初恋の人にラブレターを送った後のような気持ちで待った。
なんと翌日、院長より、履歴書と希望の報酬を送るようにとのメールが来た。「本当にブータンで働ける」次の人生が決まった瞬間だった。
英語での履歴書作成は初めて。住む所さえあれば良いので、サラリーは病院で決めてくださいと連絡したら、2500ドルとのこと。物価価値も分からないので、年俸なのか月給なのか尋ねると、月給だった。実は年俸かと思っていたので驚いた。
一度顔を見せに行こうと思い、同年12月に病院を訪れ、Dorji 院長、学長先生、消化器内科Dhakal先生に面会し院内を案内してもらった。新生児ICUで働いておられた西澤より子先生にも会って、病院や国内医療の状況などについて伺った。
定年前の1年間は多忙で、書類の作成は定年後となってしまった。
JDWNR病院人事部からは、12項目の書類の提出を求められた。就労許可申請書、大学卒業証明書、医師免許、学位等証明書、学会在籍・専門医等証明書、医師として問題を抱えていない証明書、3年以上の勤務証明、無犯罪証明書、結婚証明書等々。英訳の証明書を得るのに大変苦労したが、なんとか完遂して、遂に2019年10月、13年前の思いが実現して夫婦でブータンの土を踏めた。(続く)
写真上左より;医師として問題を抱えていないという厚労省の証明書
写真上中より;着いて1ヶ月後、内視鏡室スタッフが、ご家族と一緒に植物園へ連れて行ってくれた。
写真上右;昼ご飯は全て自宅で作ってくれたブータン料理(辛いです)
写真下左;青空の下で頂きました。
写真下中;昼食後は焚き火で歌までついてました。
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